看取りの仕事は介護士にとって非常に困難なものです。誰かの人生の最終章に立ち会うことは、精神的にも肉体的にも大きな負担となることがあります。特に初めて看取りを経験した時、その重さに驚き、「この仕事を続けられるだろうか」と自問自答することもあるでしょう。しかし、このように感じ始めた時こそ、自分の感情としっかり向き合うことが重要です。看取りの過程で生じる悲しみや苦しみは、決して一人で抱え込むべきものではありません。同僚や上司、そして場合によってはプロのカウンセラーと話をすることで、心の負担を少しでも軽減することができます。

また、看取りを行う中で、自分自身の成長や学びがあることに気付くかもしれません。人生の終わりに寄り添うことで、生命の尊さや、日常の小さな幸せを見出す力が育つかもしれません。看取った方々から受け取った教訓や想いを大切にし、それを次のケアに生かすことで、より深い満足感を得ることも可能です。もし「看取りが辛くて仕事を辞めたい」と感じたら、まずは自分自身とその感情に正直になってください。そして、信頼できる人たちに相談し、自分一人では解決できない問題に対して、支援を求める勇気を持ちましょう。プロフェッショナルとして成長するためには、自己ケアが不可欠です。

看取りの過程で得られる経験や教訓は、あなたをより強く、優しい介護士へと成長させてくれるでしょう。そして何より、看取りを通して得た深い人間理解と共感の力は、これからの人生においても大きな財産となります。